昨シーズンのイタリア挑戦を経て、今季レッドイーグルス北海道に加入した #22 FW中島照人選手。現地での経験を通じて得たものや、全日本選手権で見せた鮮烈なゴールの裏側、そして自身の原点まで。攻守にわたってチームに活力を与える中島選手に、リンクの上では見られない等身大の思いを聞きました。

――現在、アシスト、ポイントランキングともに上位につけていますが、この数字をどう受け止めていますか?
正直、自分でも結構いいんじゃないかなと思っています。運よくポイントを重ねられていて、周りの選手に助けてもらっている感覚が強いです。ゴールに関しては自分の力の割合が大きい面もあると思いますが、アシストは味方が決めてくれないと成立しないものなので、決めてくれる仲間には本当に感謝しています。
――シーズン前に思い描いていたイメージと比べて、今シーズンのご自身の状態はいかがですか?
一番気にしていたのは、ケガでした。ケガで試合に出られない期間が続くのが、自分にとっては一番きついので、まずはしっかりコンディションを保ち、試合に出続けることを第一に考えてきました。今のところ欠場なく戦えているので、その点では良い状態でシーズンを過ごせていると思います。
――特にプレーの中で手応えを感じている部分はどこでしょうか?
攻撃面では、得点に絡む回数が増えているところです。ゴールだけでなく、チャンスメイクも含めて、試合に影響を与えられる機会が増えてきたと感じています。一方で、守りに関してはまだまだ。相手の動きを一歩先に読むことやポジショニングは、もっと良くできるはずですし、今後さらに磨いていきたいです。攻守両面で安定感のあるセンターになることが、今の課題です。
――中島選手のプレーは「情熱的」と表現されることが多いですが、ご自身ではどう感じていますか?
昔から感情が出やすいタイプではあります。すごくきれいなホッケーをするタイプではないですし、正直、きれいすぎるホッケーはあまり好きじゃない。勝つために何が必要かを考えた結果、自然と今のスタイルになっていると思います。感情が出ること自体は悪いとは思っていませんが、空回りしないようには気をつけています。チームにとってプラスになる熱量でいられるかどうかは、常に意識しています。
――これまでの試合の中で、ベストプレーを挙げるとしたらどのシーンになりますか?
やっぱり全日本選手権の準決勝ですね。みんなの勝ちたいという気持ちがひとつになり、たまたま僕のところにチャンスが来たんだと思います。子どもの頃からイーグルスを見て育ったので、タイトルから遠ざかっている悔しさは人一倍ありました。『地元の子供たちにイーグルスが勝つ姿を見せたい』という思いで臨んだ大会でもあったので、決勝進出をかけた大事な一戦でチームの力になれたことが素直に嬉しいです。オーバータイムでのゴールはコースも見えず、『もう打つしかない』という感覚で振り抜いたシュートでした。それがイメージ通り決まったのは、まさに運が味方してくれた瞬間だったと感じています。
――1月8日のHLアニャン戦、自身のフェイスオフから決めたゴールも印象的でした。
あれはセットプレーですね。本来はフェイスオフから安藤優作選手にパスを出して展開する形を想定していました。ただ、相手にパスコースを消されてしまって、瞬間的に『自分でいくしかない』と判断しました。狙い通りではなかったものの、ゴール前に思い切って運び、その一瞬のチャンスを逃さずに決め切れたのは良かったと思います。あの状況で迷わず判断できたのは、今季積み重ねてきたものが自然と出た結果だと実感しています。

和洋問わず甘いものに目がない中島選手ですが、一番のお気に入りは「じゃがりこ」。
リンクで見せる情熱的なプレーとはまた違う、飾らない笑顔も彼の大きな魅力です。
――昨シーズンはHCメラノで、出場試合数以上のポイントを獲得していました。現地での経験は、どのような影響を与えてくれましたか?
プレー面では、フィジカルの使い方や当たりの受け方、DFとの間合いを学び、判断の速さは特に成長できたと感じています。英語がほとんど話せず、翻訳アプリを使いながらのコミュニケーションでしたが、プレー中のやり取りは感覚や気持ちで乗り切りました。ケガが多くメンタル的にきついシーズンでしたが、物怖じせずに自己主張しながらプレーできるようになったことは、今の自分につながっています。
――チームの中で求められている役割はどう感じていますか?
攻撃の部分では、得点やチャンスメイクを任されていると思いますし、PK(ペナルティキル)など守りのシーンでも多くのアイスタイムをもらっています。そういう意味では、全体的に期待してもらっているのかなと感じますし、その分、しっかり責任を持ってプレーしています。
――個人の結果以上に大切にしていることは?
センターとして、攻守両面でハードワークすること、そして絶対にサボらないことです。どれだけ得点を重ねても、守りをおろそかにしてしまえば意味がありません。特に『GKに余計な負担をかけないこと』は常に意識しています。GKは責任の重いポジションなので、少しでも楽にプレーしてもらえるように、攻めも守りも手を抜かないと決めています。兄弟にGKがいるので、すべてを理解できるわけではないですが、その気持ちをくみながらプレーしたいという思いがあります。
――ここで改めて、アイスホッケーを始めたきっかけを教えてください。
叔父が王子製紙でプレーしていたこともあり、幼い頃からリンクに足を運ぶ環境でした。ただ、一番古い記憶を辿ると、リンクの大きな音響が怖くて中に入れなかったことを覚えています。1、2歳頃、あの独特の雰囲気に圧倒されていました。その後、2人の兄の影響もあり、2歳半頃から遊び感覚でスケートを始めました。ただ、ホッケーをやるかどうかは親にきちんと確認され、自分で「やりたい」と答えて始めています。父も経験者で、『本人が本当にやりたいと思わなければ続かない』という考えがあったようです。ホッケーが身近にある環境だったので、特別なきっかけというよりは自然な流れでした。
――シーズン終盤に向けて、注目してほしいプレーとさらに高めたい点は?
やっぱり、情熱的にプレーしているところですね。ゴールに向かう姿勢やチャンスメイクの場面をぜひ見ていただきたいです。さらに高めたいのは決定力と守りです。チャンスを確実に決め切ること、そしてDFと連携して相手に隙を与えないこと。この2つは、もっとレベルを上げていきたいと考えています。
――最後に、ワシスタントの皆さんへメッセージをお願いします。
純粋に僕らと一緒にホッケーを楽しんでほしいです。勝ったときの喜びや感動を分かち合いたいと思っているので、共に戦い、応援してもらえたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします。
【プロフィール】中島 照人(なかじま・てると)
生年月日:2001年12月15日 血液型:A型
苫小牧市出身(泉野小学校→啓明中学校→駒大苫小牧高校→東洋大学→HCメラノ)