13歳で地元苫小牧を離れカナダへ、15歳からはアメリカのジュニア最高峰の舞台でキャリアを重ねた #7 FW安藤優作選手。今回は、安藤選手に海外での経験と今後の展望について語ってもらいました。
――アイスホッケーを始めたのはいつ頃ですか?
3歳年上の兄(安藤永吉選手・東北フリーブレイズ所属)がホッケーをやっていた影響で、自分も2歳半頃からスケートを履いていました。はっきりとした記憶はないのですが、兄の練習を見ているうちにいつの間にか始めていた、という感じです。
――どんな子どもでしたか?
とにかく負けず嫌いで、やんちゃな子どもでした。何をするにも勝ちたくて、遊んでいる時もホッケーをしている時も、よく兄とけんかをしていました。僕が海外へ行ってからは、けんかは一切なくなり、今では週1で連絡を取り合うほど仲が良いです。
――海外挑戦を決めたきっかけを教えてください。
ホッケーを始めてからずっと、いつかはNHLを目指したいと思っていました。小学6年生の時、日本のチームの一員としてカナダのトーナメントに出場した際、そこで初めて本場のNHLの試合を生で観て、感動したことがきっかけです。その後、両親に海外で挑戦したいという気持ちを伝えたところ、快く「行っておいで」と背中を押してくれました。
――海外挑戦に対して不安はありませんでしたか?
英語がまったく話せない状態だったため、入国検査などは少し不安でしたが、挑戦することが好きなので、心配よりも楽しみな気持ちが強かったです。飛行機の乗り継ぎがうまくいかず、一人で空港に一泊した経験もあり、それ以降怖いものはなくなりました。
――13歳で海外に渡ってからの経歴を教えてください。
最初の1年はカナダのケベック州、次の1年はブリティッシュコロンビア州(バンクーバー)で過ごし、その後アメリカのオハイオ州で2年、アイオワ州で1年、ニューメキシコ州で2年を過ごしました。カナダでは現地の中学校のチームに所属し、中学卒業後はオンライン学習で高校を卒業しました。USHLとNAHLは15歳から20歳までのジュニアリーグなので、高校を卒業した18歳からは毎日ホッケーに打ち込める環境となりました。
――USHLで印象に残っていることは?
15歳でUSHLの舞台に立てる選手はごくわずかなため、その中でプレーできたことは、今振り返っても本当に貴重な経験です。デビュー戦でゴールを決め、1年目は特に数字の面でも手応えを感じるシーズンでした。
――NAHLでの思い出は?
USHLでの3年目は思うような結果を残せず、4年目からはひとつ下のNAHLでプレーをすることになりました。そこではしっかり活躍して、106試合に出場し102ポイントを獲得するという記録を打ち立てました。これは今もNAHLの最多ポイント記録として残っています。
苦労もあったであろう海外生活について語る安藤選手からは、揺るぎない自信が伝わってきます
――レッドイーグルス北海道への入団を決めた理由を教えてください。
所属先との契約が終了するタイミングで、子どもの頃から憧れていたレッドイーグルスに声をかけていただきました。ホッケーを心から楽しみたいという気持ちと、自分の成長を考えた結果、レッドイーグルスしかないと思い入団を決意しました。
――レッドイーグルスに入団してからの感想と、印象に残っているシーンは?
レッドイーグルスでは、日々ホッケーを素直に楽しめています。印象に残っているのは、先日の全日本選手権の決勝で同点ゴールを決めた瞬間です。ベンチが今まで見たことがないほど盛り上がったので、本当に嬉しかったです。また、新人賞をとることが目標のひとつだったので、負ける気はなかったですが、受賞できて良かったです。
――自身の強みはどんなところですか?
周囲をよく見てプレーできるところが強みで、特にパスには自信があります。小さい頃はゴールを決めるのが好きでしたが、海外でプレーするようになってからは、ゴールよりもアシストでチームの力になりたいと考えるようになりました。海外のリンクと比べて日本のリンクが広いため、スペースが広くなった分、以前よりも周囲の状況を把握しやすくなったと感じています。
――シーズン後半の目標は?
結果をあまり意識しすぎず、目の前の試合に集中して勝利につなげたいです。また、試合でより多く起用される選手になりたいですし、チームメイトの誰にも負けたくないので、ポイント以外でもしっかりチームに貢献したいです。
――最後にワシスタントの皆さんへのメッセージをお願いします。
厳しい戦いは続きますが、最後までしっかり勝ち抜き、ファンの皆さんと一緒に喜びたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします。
【プロフィール】
安藤 優作(あんどう・ゆうさく)
生年月日:2003年9月3日
血液型:O型
苫小牧市出身/Somang hockeyーPursuit of excellenceーYoungstown phantomsーCedar rapids roughridersーNew mexico ice wolves